日々を愛しみつつ、感じたことを綴る日記です。子どもが夢を描ける未来のため、私たちが輝きましょう! 

松原美里の謳歌ブログ「大人が輝く背中を見せる」


ピッコロ1日目~あいさつ・悔しさの元・座る場所・政治・自分で変えていく力~

そんなわけで、山梨県北杜市にある森のようちえんピッコロに

保育実践研修にお邪魔しています。

ピッコロ森のようちえんへ保育自主研修に来た理由をご参照ください。


1日目の出来事で印象に残ったことを、記してみます。

p14717132_1477229435626480_5254529128301721234_n.jpg


●あいさつはしたの?

この日、私よりも先に見学に来ていた人がいました。

(私はナビの指示を受け間違えて、到着が遅れました)

子どもたちはそこにいたのですが、挨拶をした気配がない様子に気が付いて、中島先生が

「あいさつはしたの?」

…と、声を掛けました。



これ、ふつうの保育であれば 何気なく

「さんはい、おはようございます!」

と子どもにあいさつを促して終わる場面ではないでしょうか。

(私も自発的なあいさつが定着しないことにいらだちを感じながらも、やってました)


たしかに相手が喜んでくれますし、世間受けもいいですし、

「あいさつした」という達成感を保育者が味わうことができます。

(↑ここがネックな、保育者のエゴの部分です)


ですが、これでは「大人が促さないと、挨拶ができない」可能性があります。


そうではなくて、日常生活の中ではあいさつをしているはずなのに

「本当はあいさつをできる人が、どうして お客さんにはしなかったの?」

~と、“お客さん”を他人事として見て 相手と向き合うことを“流した”子どもたちの

良心への問いかけとして、子どもたちの心に突き刺さったようです。


一同 チーン(反省モードに入り、落ち込む状態)となり、

しばらくどんよりとした雰囲気をまとっていました。



「しらんぷりなの?」

(シーン・・・・)



ここで、大人(保育スタッフ)は変にフォローをしません。

子どもたちが自分で「おかしかったんじゃないか?」と気が付いて

感じて、学ぶ その機会(時間)を尊重しているのです。



じつはこの後 お客さんである私も子どもたちに挨拶をしましたが

ハッとしてすぐに挨拶に応じようとする人、

いまだ落ち込みが腑に落ちず、モヤッとして声が出せない人がいました。


(ちなみに通常の園では、知らない人にあいさつをされると

 「だれ?」という感じでスルーする子がほとんどです。

 愛着関係のある人と、そうでない人への態度が異なるのは、よくあること。

 それではよくないね、ということで「さんはい!」が行われているように思われます)



が、翌日。



「おはよう。今日もよろしくね!」

~と声を掛けると、数名の子たちから、

目と目を通い合わせて 思いを相手に届けようとする意欲のある「おはよう」が返ってきたのです。

そのしっとりとした質感、思いを届けようとする決意にドキッとしました。



それぞれの力に変わったようです。


*ほかの子たちも、お客さんである私は自然に挨拶が交わせるようになりました。


●悔しかった思い

初日、当初は川遊びか森遊び、と聞いていたのですが

子どもたちによると「サッカーがしたい」とのこと。

小さなボールに大勢が群がり、キャーキャー言いながらボールを追いかけていました。

そのうち、「男子は」「女子は」といった声が聞こえてきました。

その集団とは別に2人の女の子が私に声を掛け、

走ったりジャンプしたり別の遊びをしていたのですが、

リーダー的な女の子が「ねぇ、次 女子だからね。」と

2回ほど声掛けに来ていたのです。


二人はうん、と応じながらも まだ遊びたい様子ではぐらかしていたのですが

そうこうするうちになんだか、まとまりかけていた集団が自然消滅のような状態になりました。

ふと見ると、リーダー格の子が 葛藤を感じた表情の中に少し無理した笑顔を作って

「何してるの?一緒にやる」と遊びに混ざる様子が見られました。

でも、なんだか内側でふつふつしている様子が感じられたんですね。

その後 しばらくの間、そのような表情を引きずっていたのですが

お昼ご飯辺りからその気配がなくなり、健やかな表情になりました。


ピッコロさんでは、保育が14時で終了した後に 

その日の出来事をスタッフ間で振り返るミーティングをしています。

「気になったこと、ありましたか?」

~という問い掛けで、

私は彼女のモヤッとした感じは大丈夫だったのか、

もしかして、自分の思い通りにほかの子たちが応じなかったことで

ゲームが成立しなかったことが悔しかったのではないだろうか?

どうなったのか気になったということを話しました。



すると---時系列で、

それぞれの保育スタッフさんが見ていた場面のプロセスが場に挙げられ、


出来事が浮かび上がってきました。

(保育スタッフさんは細やかにメモを取られています)


「最初に男子と一緒にサッカーをしてたでしょ、

そしてその後、男子対女子に分かれてやっていて、

メンバーは・・・あの三人は別だったね。

そして---たしかに女子!って言っていた。

あ、もしかして、男子対男子の後に女子対抗戦をやろうとしていたのかな?

でも、男子が・・・ボールを貸してくれなかった?

だから悔しかった?」

「えっ、(悔しさの元は)そこなんですか?」

「分かんない。本人に聞いてみよう。」



と、本人がちょうど近くに来たため、

時系列で本人に確認していく中島先生と保育スタッフのみなさま。



「サッカーをしていて・・・(以下、場面について略)

 なんか変な顔をしていたけど、その時 どんな気持ちだった?」

「女子がサッカーやりたかったのに、

 男子がボール貸してくれなかったから、いやな気持ちだった」

「ボール貸してくれなかったんだ!(一同、くうなずく。)」


「いつまで嫌な気分だったの?」

「ご飯食べるくらいまで、ずっと」

「ご飯食べるまで?食べたら気分が変わった?」

「うん。」

「そうか・・・そこまで、ずっといやな気分引きずってたんだ。」

「ご飯食べて、バーゲンして、(フリーマーケットの衣服を探して)、今はどんな気持ち?」

「いまは、いい気持ち。」



はは~!!


私は自分の目に映る世界の中で

時系列でドラマを組み立て、仮説を立てて

「自分の思い通りにほかの女子が動いてくれなかったことへの怒り」かと思い

その後のもやもやを彼女はどう扱ったのか、気にしていましたが、

じつは真実はちがっていたんですね。



様子を観察したり、気に掛けたり、仮説を立てたりすることは大切ですが、

誰しも無意識に現実に「その人の視点」や「物事の捉え方」

というフィルターが掛かっており、

それを投影して子どもの世界を決めつけては、いけないのです。



子どもの真実は、子どもの心の中にある。


一番は、本人に心の内を聴くこと。



「聴いてみないと分からないねぇ。」

~まったく、その通りだと実感した出来事でした。



そして、みなさんは

「きっと近いうちに、男子に 学ぶ機会がやってくるね。」

~直接的に指導はしなくとも、機が熟した時に起るであろう学びのタイミングを待つのです。

(アンテナが立っているので、“いまだ!”というその時が分かるそうで、

 すぐに話し合いの場を設けられるそう。)

「もっともっと、こういう機会が やってくるといいね。」

~子どもの学びや気づき・内側の育ちは、

日常と子ども同士の中で 深まっていくのでしょう。


●お話先生と、子どもの座る場所


その日の午後、ボランティアで読み聞かせをしてくださる「お話先生」が

ピッコロに来てくださることになっていました。

お昼ご飯を食べていた子どもたちが、お話先生の車が到着した気配を感じて

急にお話先生が来るであろう場所を取り囲むように

円になり、座り始めたのです。


そこで、保育スタッフの方がテーブルを出しており、

当たりそうな場所に、子どもたちがすでに座っていました。


ここで、私はつい、良かれと思って

「(ぶつかるし、見えにくいから)少し後ろに下がって。」

~と子どもたちに声を掛けてしまったのですが、

保育スタッフの方と目があって、反省しました。


こういうところにも、意図が隠れているのです。


ぶつかるかもしれない。

~じゃあ、どうする?


ここだと、近すぎて絵本が見えないかもしれない。

見づらい。

~じゃあ、どうする?


ここを自分で気づいて、考えて、動ける子になるように

合えてピッコロでは声を掛けないのだそうです。



ああ、いつもの声掛けで 

私は子どもの気付きと成長のチャンスを奪っていたかもしせません。



P.S

中島先生によると、絵本の持ち方でも、意識的に

“見えない位置”ができる持ち方をすることがあるそうです。

(この角度だと、真下やそれよりも奥にいる人は見えにくい、など)

それで、「見えない~!」と不満を抱くだけで終わるのか、

「見えないなら、自分で動けばいい」と

自分の世界を自分で替えていくことを選択できる人になるのか。


損をしたな、困ったな。

そんなところを感じてもらって、「じゃあ、どうしたらいいかな?」

考えが及ぶまでの成長の時間を “待つ”。



生活の一つ一つの場面に、こういった丁寧な糸が織り込まれているので

あらゆる場面において 自分で考えて行動する人間になる。



見学に来た人は、その一場面を切り取って見るので

「すごいな~!」と帰っていくのですが、

おそらくその裏側にある意図の集積が大事なのでしょう。


ここに、保育に持ち帰ることができるヒントが潜んでいるように感じました。

とはいえ、上級者向け(初心者がいきなりこれをやろうとすると、見えなくなりそう)ですね!

●ピッコロと政治

~じつはその日の朝、 議員さんが見学にいらしていました。

正直私は、ちょっとビックリしたんです。

なぜかというと「子どもと政治」、日本では、少しかけ離れたものといった感覚があります。


政治家の公約として「待機児童解消」を掲げる人はいますが、

目先の問題解決は見ていても 本質的な保育の質や

保育制度の底上げなど、見えていない人が多く。


なんとなく、保育だけ教育制度から取り残されているようにも感じていたからです。



けれども、保育は20年後を創る大切な基盤。

当たり前ですが、ピッコロさんでは大事なかかわりをどう作っているのか?気になりました。


じつは、ピッコロができてから役所や議員さんヘ働きかけを続けており、

教育や保育の課題に関心を持つ議員さんがときどき視察に来ていたり、

森の保育園支援についても注目が集まりつつあるとのこと。


なんと、公開討論会に親子で参加する13歳の卒園児もいるそうです。


子どもと社会を切り離さない。自分たちの生きる社会を他人ごとにしない。

“かかわっていくんだ”“変えていく力が、自分にはあるんだ”

そういったにもつながるように感じられました。



スポンサーサイト
  1. ピッコロ 森のようちえん
  2. / trackback:0
  3. / comment:0
  4. [ edit ]


 管理者にだけ表示を許可する
 

プロフィール

ウメハナリレーションズ代表 松原美里 

Author:ウメハナリレーションズ代表 松原美里 



こんにちは!松原美里です。
「子どものために、大人が輝く背中を見せる」をモットーに保育やコーチング・コミュニケーションを切り口に・講師・執筆・監修を通じて日本を元気にする活動をしております。

横浜女子短大 保育科を卒業。保育士資格・幼稚園教諭二種免許取得。横浜市の保育園~川崎市の児童養護施設にて保育に携わる中で子どもを支える大人のサポートの必要性を感じ、コーチングの道へ。2009年に米国認定コーアクティブコーチ資格取得。All About「育児の基礎知識」元ガイド。現在はエクレス子どもの家保育園 施設長の傍ら、コーチング・研修講師として保育士・子育て支援講座、監修等を行っています。
こちらのブログでは、日々の活動の様子や、仲間との「人生を謳歌する毎日」をお届けしています。

【Umehana Relations HP】
 依頼をいただいて、全国にて講座展開中♪

【認定こども園エクレス】
 認定こども園、新制度へ移行しました!私は保育園部の施設長です。

【保育士コミュニケーション講座】
DVDの販売を行っています。お役立てください♪

【講演依頼・取材・お問い合わせ】
   ~Imfomation~
こちらからよろしくお願いします。

【松原美里へのご相談】
単発/継続セッション・コンサル・アドバイスは、こちらからどうぞ!

【梅花ブログの楽しみ方】   
 ~About Blog~

詳細、こちらをご参照ください。

【日常に宝石のご褒美を】
matubaralabel.jpg 
Misato Matsubara

バナーを作成

☆  梅花 の 本棚  ☆

梅花が読んだ本の覚書です。

FC2カウンター

人気記事ランキング

謳歌日記人気記事ランキングです!

こちらも合わせてお楽しみください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

« 2017 09  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー