日々を愛しみつつ、感じたことを綴る日記です。子どもが夢を描ける未来のため、私たちが輝きましょう! 

松原美里の謳歌ブログ「大人が輝く背中を見せる」


ピッコロ2日目(前編)~目に見えない「育ち」「自由」を尊重する・「待つ」は願いをかなえる手段

ピッコロ2日目報告。

この日はお誕生日会があり、

お誕生児が「ピッコロ」と園庭を希望したので

子どもたちはみんな、思い思いに自分の遊びを深めることに。

保育の間に子どもの様子を見守りながら

先生や保育スタッフのみなさんに“ピッコロの価値観”を聞かせていただきました。



ピッコロさんでは常にいくつもの意図が日常に掛けられており、

どれか一つだけを切り取るのではなく、

「こういう側面の意図もあるんだな」

「こういう側面の糸もあるんだな」

~と、多面体の保育の切り口の一つとして、

頭の片隅に置いておいていただけると良いかと。



たくさんの宝石のようなエピソードがあるのですが、長くなるので

ここでは伝えたい本質に沿って、いくつか紹介させていただきます。


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●目に見えない育ちを尊重する

自由遊びの時間が始まりました。

わ~!と数名で散っていく人たち、

お友達と声を掛けあいながら何やら作業を始める子どもたち。

そんな中で、樹の縁に腰掛けて ボンヤリしている子が二人いました。


そんな風景を、中島先生は嬉しそうに見守っていました。

「育ってるなぁ。」

~なるほど。

私はうっかり、声を掛けるところでした。


その二人は、二人の世界の中に没頭していたのです。


一人で自由に過ごすことを尊重する。

目に見えない心の育ちを尊重する。


~持て余して暇そうにしている時は別ですが、

何かをしていなくても、もしも子どもが良い表情をしていたら

(フクフクした表情で一点を見つめていました)

もしかしたら目には見えない世界で

その子がイメージを投影して世界観を創り上げているのかもしれません。

目に見えない世界の中で、子どもたちはたくさんの体験をしています。


●自由でいることを尊重してもらえる幸せ

その二人のこともそうですが、自分のペース・自分の世界を

「尊重してもらえる」という幸せ。

ともすれば、日常の保育の中では 予定が決まっているので

 「急いで」と声を掛けてしまったり。


一人一人を尊重したいと思っていても、

時間や空間・環境の制約がありすぎて

すべての子どもの「とことん」を心行くまで尊重することが

なかなか出来ない現状があるのではないでしょうか。


私も現場にいた頃はさんざんやっていたなぁ~と深く深く反省しつつ・・・。


ここは、どうやって緩められる枠組みを見つけられるかが

保育者の腕の見せ所になるかもしれません。



この、“自分を大切にしてもらった感覚”を十分に味わえることが

“自分はありのままでここにいていい自由”を体感できることにつながり

相手を尊重する余裕へ、そしてお互いを大切にし合える関係性につながるのでしょう。



そう思うと、私自身もラクになりました。


じつは、研修に来てから 

自分がどういう立ち位置でみんなに関わったらいいのかがよく分からず

居場所が不安定な感覚でいたのです。


(ピッコロさんの保育者のかかわりは、通常の保育とは異なるので

 いつもの声掛けは控えて 染まろうと決めてきたのです。)



相手の自由を尊重することが、

自分自身の自由を許可する感覚にもつながることを体感しました。



●“ねがい”をかなえる手段が「待つ」


「子育ては、焦らずに待ちましょう」

~なんていいますが、本当に待つだけでいいのでしょうか?

そんなわけありませんね。

さまざまな働きかけをしたうえで「待つ」から、育ちが発現してくるのです。



なぜ待つのか?

「子どもにこうなって欲しい」

という思いが先にあるから。



どうすればそういう子になるのか?

考えた結果、たくさんの伏線を張りつつ 

個人の内側の育ちが起こってくるのを「待つ」。



たとえば---「やさしさ」

お友達に乱暴をはたく子や、自己中心的な子がいると

保育士になってしばらくは、これが唯一の正解かのように

「お友達にやさしくしてね。」「相手の気持ちも考えて」

とひたすら声を掛けていました。



けれども、声を掛けてもかけても、本人に届いたのか届いていないのか・・・。

スルーされているのかわからず、次第にイライラが募って

その子につらく当たってしまう場面もありました。






ピッコロの子どもたちは、一人ひとりが本当にやさしい。

それも、表面的なゆるい優しさではなく、

じわっと涙が湧いてくるような、さりげない優しさなのです。



たとえば、お昼前に女の子が踊りを始めました。

数日前にピッコロ祭りがあったそうで、

そこでお母さんたちが踊ったアフリカンダンスを子どもたちが覚えて、

みんなで輪になって踊っていたのです。


「またお昼ご飯の後に踊ろうね!」

「うん、絶対踊る!!」

~お弁当を食べる中でも、踊るのが待ちきれず 腕がワキワキしていた子が居ました。

ある年中児さんのお母さんが柿をむいてきて下さり、

そのお子さんが 年長児と一緒にみんなに配ってくれました。

数人がお弁当と柿を食べ終え、チラッと他の「踊りたい」と言っていた子の様子を伺いつつ、

「待ってるからね」と存在を意識しながら踊り始めました。

何回か踊り終え、ちらっ、ちらっと 踊りたがっていた子を意識している女子チーム。

そこに男子が観戦に加わり、大盛り上がり!

(アフリカでは女性が踊って男性は太鼓だそうで、

 お母さんが踊って、お父さんが見ていたのを子どもたちは再現していた様子)


でも、おかしいな・・・。

あんなに踊りたがっていたのに?

なんでお弁当、食べ終えないのかな??


不思議に思い、そっと本人がお弁当を食べている横に座って聞いてみました。

「踊りたがっていたよね?」

コクン。

「お弁当、なかなか食べ終わらないね。」

コクン。

「どうかした?」

「・・・。」

「踊ること、どうでもよくなっちゃった?」

「・・・。」

「他に大事なことができた?」

コクン。

~と、ふと 彼女が手に持っているものが 

なかなか食べ進んでいないことに気が付いたのです。

もしかして・・・

「柿、苦手?」

「・・・・・・。」コクン。

もしかして・・・?

「○○ちゃん(年中さん)が配ってくれたから、

 食べなきゃと思った?」

「・・・・・・。」

年長児の彼女は目線を上げ、

うるうるした瞳でまっすぐに私を見つめ返しました。

「やさしいね。」

~その後、彼女のペースで柿を食べ終えたものの、

踊りの時間は終わり、お誕生日会の時間となりました。


「踊れなかったね・・・。」

「いいの!」

~吹っ切るように言って、彼女は片付け始めました。


踊りながら彼女を待っていた仲間たちは

ちょっと苛立った表情でもどかしそうにしていましたが

おそらく、彼女の選択を理解したのでしょう。


自分が踊ることよりも、年中さんの厚意を尊重したことを。




保育MTGでその日の出来事を振り返る中でこのことをお話しすると・・・



彼女は実はこれまで、誰よりも「いや」「いらない」など

とハッキリとモノを言う子だったそうです。



もうちょっと相手の気持ちを考えられる子になってほしい。



その“育ち”が、彼女の課題だったそう。


けれども、ピッコロさんでは

「やさしくしなさい」「相手の気持ちを考えて」と直接指導はしないんですね。



おそらく、「どう思う?」「いまの、どう思った?」

~そんな風にかかわっていたのではないでしょうか。



保育スタッフのみなさん、「“育ち”が出てきたね。」「いい感じだね」

ホクホクした表情で彼女の成長を受け止めていたのが印象的でした。







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プロフィール

ウメハナリレーションズ代表 松原美里 

Author:ウメハナリレーションズ代表 松原美里 



こんにちは!松原美里です。
「子どものために、大人が輝く背中を見せる」をモットーに保育やコーチング・コミュニケーションを切り口に・講師・執筆・監修を通じて日本を元気にする活動をしております。

横浜女子短大 保育科を卒業。保育士資格・幼稚園教諭二種免許取得。横浜市の保育園~川崎市の児童養護施設にて保育に携わる中で子どもを支える大人のサポートの必要性を感じ、コーチングの道へ。2009年に米国認定コーアクティブコーチ資格取得。All About「育児の基礎知識」元ガイド。現在はエクレス子どもの家保育園 施設長の傍ら、コーチング・研修講師として保育士・子育て支援講座、監修等を行っています。
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